2013年10月16日水曜日

雨が降れば



雨が降れば傘をさす。
  傘がなければ風呂敷でもかぶる。
   それもなければぬれるしか仕方がない。


           雨の日にかさがないのは、天気のときに油断して、
          その用意をしなかったからだ。雨にぬれて、はじめて
          傘の必要を知る。そして次の雨にはぬれないように考
          える。雨があがれば、何をおいても傘の用意をしよう
          と決意する。これもやはり、人生の一つの教えである。
           
           わかりきったことながら、世の中にはそして人生に
          は、晴れの日もあれば雨の日もある。好調のときもあ
          れば、不調の時もある。にもかかわらず、晴れの日が
          少しつづくと、つい雨の日を忘れがちになる。好調の
          波がつづくと、ついゆきすぎる。油断する。これも、
          人間の一つの姿であろうか。

           このことをいましめて昔の人は「治にいて乱を忘れ
          ず」と教えた。仕事にしても何にしても、このどうり
          はやはり一つである。

           雨が降れば傘をさそう。傘がなければ、一度はぬれ
          るのもしかたがない。ただ雨があがるのを待って、二
          度と再び雨にぬれない用意だけは心がけたい。雨の傘、
          仕事の傘、人生の傘、いずれにしても傘は大事なもの
          である。
                                                             
                                                                        松下幸之助

                                     


  明日の朝めがけて、台風が向かってきているそうです。
                      戸締まり用心、火の用心。                                                        


           

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